「知らぬ振り」

創作詩

群衆の中で、知っている顔を見つけた

間違いない

間違えるはずがない

けれども

気づいていない振りをした

本当は声をかけたかったけれど

別れを告げずに立ち去った人

知らぬ振りをしたのは

あの人への愛のつもり

雑踏の中で、知っている顔を見つけた

言いたかった

言えるはずもない

気づいていない振りをした

変わらぬ姿を見られただけで

私の心は満たされた

知らぬ振りをしたのは

あの人への別れのつもり

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