鵠更紗オリジナルの創作童話です
ウミネコ童話集
2024年5月12日 私が創作した童話「ふしぎなくつ」が収録された、ウミネコ童話集(一)が発売になった。この作品は、対象年齢を未就学児にしているので、漢字なしのすべてひらがな、カタカナにした。紙の本になると、自分の作品ながらプロの童話作家の...
創作童話「三毛猫」
「三毛猫」 あるところに、一匹の猫がおりました。その猫は、白と茶と黒の三色の毛がまだらに生えておりまして、いわゆる「三毛猫」と呼ばれております。 三毛猫の名前は、「三(さん)」。 単純なもので、どこかから連れてきたおじいさんが名付けたも...
創作童話「色と形の世界」作:鵠更紗
ここはピンクの丸の世界。この世界のものは全てピンク。そして全て丸でできている。椅子もピンク、テーブルもピンク。本も丸くて鏡も丸。ピンクこそ幸せ。丸こそ素晴らしい。 お父さんとお母さん、子どもも、となりの家もペットも植物も全てがピンクで丸い...
月が結ぶ恋の物語
あるところに、一人の王子がおりました。 王子の城では、それはそれは広い領地があり、そこでは茶葉を育てさせていました。 決まった量の茶葉を収めれば、残りの土地は小作人が自由に作物を育てて良いことにしておりました。 小作人が育てた茶葉を集めて...
新月の夜
あるむらに、アントンという五さいのおとこのこがいました。アントンは、まいにちいたずらばかりしていました。 あるあさ、おかあさんが、みずをくむために、いどへいってみると、いどのやねには、ぽっかりとまるいあながあいていました。 「アントン、また...
もぐらの道案内
むかしむかしあるところに、太助という男がいました。 太助は、毎日畑を耕して暮らしていました。 ある日、太助がいつものように鍬で畑を耕していると、隣の畑の伝五郎が言いました。 「おーい太助。最近もぐらがおらの畑を荒らしているんだが、そっちは...
空に浮かべて
もし、どこにでも住めるとしたら・・・空飛ぶじゅうたんに家をのせて暮らしたい! 昼は太陽が気持ちよく当たる場所で過ごし、夜になったらそよ風の吹く場所へ移動しよう。 夏は海辺の近くで魚釣りをして、秋には紅葉が綺麗な山へ移動しよう。冬は寒いから...
ママをうんでくれてありがとう
ぼくのママはやわらかい ふわふわしているからぎゅーってされるときもちがいい だからママのとなりでいっしょにねると とってもきもちがいい よる、ぼくがこわくてひとりでトイレにいけないときに、ママは「だいじょうぶ だいじょうぶ」といってついてき...
ママはペガサス
大変だ!ぼくは、ママのひみつを知ってしまった。 ある日、ぼくが幼稚園から帰って、絵本を読んでいた時のことだ。 「けいちゃん、ママはお風呂掃除とベランダのお花に水やりをしてくるわね。おやつはテーブルの上に出しておくから、絵本を読み終わった...
ぼくのなまえはコンキリア
ここはまちのレストラン。おなかのおおきなコックさんと、こえのおおきなおくさんがふたりでおみせをひらいている。 まいにちたくさんのおきゃくさん。 コックさんはおおいそがし。 おくさんがまたきょうもおおきなこえでちゅうもんをとっている。 「はい...